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9・10月は、2年生・1年生と、低学年単式学級の子供たちが複式の学習方法にも親しみながら、
(1)中学年以降の複式学級に進級した際、学習スタイルで戸惑うことがないようにすることしようということ
(2)子ども自身が学びの主役として、学年相応に自立した学習ができるようにすること
を意識して、複式学習のステップ学習スタイルの研修を深めました。11月の今回は、いよいよ複式学級での複式学習の校内研究授業を行いました。5年生は大人の3倍が子どもである場合、全体量に対して大人はいくつで子どもはいくつになるのかを図や式を使って求める学習、6年生は相似な図形についての共通点や相違点等を見つけ、定義づける学習でした。2学年が同じ教室で別の学習をするのに対して、担任は1人です。当然ガイド役の子どもの進行が必要になります。授業計画を立てる際、担任自身はどの学習過程で出番が必要になるかを想定しながら、子どもに任せるところと、教師が教えるところとで、距離感を変えて関わります。高学年ともなると、ガイド役の児童が臨機応変に他の子供たちに指示できるようになっているところが素晴らしかったです。
多面的に授業を振り返ることができるよう、今回も学校運営協議会や岩国市教育委員会の方々に加わっていただき、ユニット型研修を行いました。今回の授業をもとに、複式学習の取組について2グループに分かれて協議しました。リーダー学習で一人ひとりの力が身につくのではないか、ガイドがしっかり準備され子供たちが時間を意識しながら学習できていた等、好評価をいただいた一方で、出てくる数字の根拠が薄く問い返しをしたいときに隣の学年に先生が行って不在だった、図形の学習で相似だったのでモニタ画面を有効に活用すればよかった等の課題もいただきました。グループ代表ごとの発表により、意見や課題の共有ができ、次の校内研修の授業で生かされていきます。
教育委員会の永久先生からは、複式授業についての4つのメリットを示され、教師の役割や問いかけ、児童の学び方、ICTの活用等、ご示唆くださいました。複式は片方の学年に先生がついた際、もう一方の学年は自習みたいになるのかと思われていた方にとっては、目から鱗が落ちたようでした。永久先生から特に、複式であれ単式であれ「知識や技能を教えるのではなく、学び方を教える」ことが大切で、複式はそれを身に付けやすい環境にあるとおっしゃったところは肝に銘じたいと思いました。永久先生、そして、ご参加くださった皆さん、ありがとうございました。