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錦町は中国山地の中ほどに位置し、標高1,000mを越す高峰が随所にそびえている。また、県下最長の錦川が東西に貫流し、支流宇佐川の清流とともに文字通り山紫水明の景勝地である。
本町の産業は農林業を中心とする第一次産業が主体であり、とりわけ林野率91.5%の林業が中核をなしてきた。近年、夏季の高冷地野莱の栽培、畜産酪農も行われている。特産物としては、わさび、こんにゃく、しいたけ等が有名である。また、初夏から秋にかけて錦川や宇佐川ではアユ漁も盛んである。第二次産業では建設業のほか昭和42年以降製造業も操業を始め、就業者も増加の傾向にあったが、近年は低調である。
昭和30年代より日本経済は高度成長期に入り、その急激な産業構造の変革は農業を中心とした各地方に過疎化の現象をもたらし、本町もこの影響を受け過疎化が続いたが、近年この傾向もゆるやかになり落ち着きをみせている。こうした中にあって、本町は農林業を基盤に美しい自然を生かした豊かな町づくりを目指し、観光開発、生活環境の整備、教育水準の向上等の諸施策が積極的に進められている。