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2月10日(月曜日)は、校内研修の一貫で、研究授業とユニット型研究協議を行いました。実は5日(水曜日)に予定していた研修でしたが、大雪の影響で地域の方々が授業に参加することが困難という事態に直面し、急遽日程を変更しての実施でした。
全校児童3名という極小規模の本校の課題は、グループでの話し合い活動が人数的に難しいという点です。その課題を克服するために、昨年度、子どもも大人も一緒になって寺子屋的にワイワイ学習ができたらと、5・6年生が宇佐サロンの方々と算数の発展学習に取り組みました。6年生は1名しかいないので今年度もぜひ!ということで、理科の実験を一緒に行い、子どもと大人とで結果から考察まで行う研究授業の機会を設けることができました。
まずは、授業者である隅先生が、岩国市駅前のイルミネーションの写真を示し、豆電球から発光ダイオードに代わったわけを考えさせました。発熱の違いや明るさの違い、長持ちすること等、人数が多いからこその多様な意見が出されました。
それを受けて、「豆電球と発光ダイオードでは、使う電気の量が違うのかを調べよう」という目当てをもちました。その後、「豆電球より発光ダイオードの方が、使う電気の量が少ない」という予想を立てました。正しく実験するために、同じにする条件と変える条件とを比較・確認し、実験方法を考えてから、2グループに分かれて実験に取り組みました。実験方法を考える際に、既習事項として、手回し発電機を使ってコンデンサーに電気を溜める方法を、6年生が宇佐サロンの方々に紹介しました。
いよいよ実験開始です。豆電球と発光ダイオードで、それぞれ3回ずつ比較実験を行います。リズムに合わせて手回し発電機を回しますが、「なかなか難しいねぇ」と交代しながら実験回数を重ねました。結果はタブレット端末上に記録し、2グループの結果がリアルタイムで大型テレビ画面に示されました。「今時はこんなこともできるんだねぇ」と、学び方の変化に驚かれる方もいらっしゃいました。サロンの方々もタブレット端末の使い方にすぐに慣れ、授業はスムーズに流れました。
実験を終え、その結果から、間違いなく発光ダイオードの方が、長い時間光っていることが明らかになりました。結果発表の際、大人はどなたも「8倍の差がある」とか「10倍もの開きが見られる」等、当然のように具体的な数値を使った発言をされたり、結論から先に述べたりする姿を示されたので、子どもにとっても大変よい学びになりました。
子どもと大人との話し合いの中で、「発光ダイオードの方が発光時間が長い」=「発光ダイオードの方が使用電気の量が少なくて済む」ということをきちんと押さえた結論が導き出され、大変有意義な学習時間をもつことができました。また、振り返りでも、6年生は、自分以外の人と話し合いながら学習が深められたことの喜びや、地域の方々への感謝を述べることができました。大人からは、6年生が堂々と大人の前で発表したり、既習事項を述べたりしていた姿が評価され、価値づけられ、大変ありがたかったです。
授業後に参加していただいたユニット型の研究協議においても、互いの幼少時代を振り返りながら、授業の気づき等をいただいたり、「最上級生になって一段と成長したのが分かって嬉しいねぇ」とか「自分たちの方が頭の体操になったねぇ」などの感想をいただいたりしました。大雪の後で足下が大変悪い中、昨年度に引き続きお越しくださった宇佐サロンの皆さん、本当にお世話になりました。今後もお気軽に、子供たちの授業に参加してくださればありがたく思います。
降雪状況により急な日程変更をせざるを得なくなったので、受指導をお願いしていた講師の先生との都合が合わず、資料配付のみになってしまったのは残念でしたが、それでも貴重な資料をお示しいただけ、我々教員にとっては大変ありがたいものでした。今年度の研修の締めくくりとして、また、今後につながる資料として、大切に活用させていただきたいと思います。